2012年12月29日土曜日

2012年 納会

本日は12月28日であり、日本では仕事納めになります。海外だとクリスマスホリデーで12月24日からが休みの様ですが、日本は正月前後に休むことが通常です。私も残っていた依頼原稿を書き上げて一応やるべきことを終えれました。今回の依頼原稿は14000字にも達し近頃としては大作になりましたが、自分の研究にまつわる分野を総合的に振り返ることができて非常によい勉強機会となりました。12月28日には消化器内科、肝胆膵内科(旧第3内科)では納会を行うことが慣例となっています。事情により今年は病院5階のレストラン、パティオでの納会となりました。この場で荒川哲男先生は来年を象徴する言葉を紹介されますが、来年度は「温故知新」とのことです。世の中新しいもので溢れていますが、元を辿れば結構昔からある事象を新しい目で見ているなんてことは良くあることですし、昔の文献からヒントを得ることはよくよくあることです。iPS細胞の山中先生の研究もガードン博士の報告をモダンな実験方法を使って証明されたものと言えます。古きを温めるためにはやはり文献を読むことが大切です。文献=文書であり、後世に自分の仕事を残す手段です。こう考えると、やはり私は、論文を含む文書を書くことの大切さを思わざる終えません。メールもいいのですが、紙に書かれた文字に自分の思い(知識)を綴ることを習慣づけることは必要です。ラブレターなんて今では書かないのかも知れませんが、智恵を絞るよい作業の気がします(笑)。



2012年12月28日金曜日

肝臓研究セミナー忘年会2012

昨日12月26日(水曜日)に肝臓研究セミナーメンバーによる忘年会を阿倍野界隈で開催しました。主として肝胆膵内科と第一解剖学から構成されるセミナーは毎週水曜日の午後5時から開催されており、プログレスレポートと論文紹介が行われます。プログレスレポートでは、各人の行っている研究テーマについて紹介され、論文の審査そのもののように様々な意見が飛び交います。吉里勝利先生、池田一雄先生など経験豊富な先生方から聞ける意見はやはり論文のreviewerが聞いてきそうな質問ばかりであり、若手研究者には厳しいかも知れませんが、逆に言うと、これらの質問に対応していくことで、論文掲載への道が近づくとも言えます。また、どのようなプレゼンをすれば自分の研究内容を理解してもらえるか、準備の段階こそ勝負とも言えます。海外では、このセミナー発表こそ、論文執筆のゴーサインが出してもらえるか、さらに厳しく言うと、次年度の雇用採用契約がしてもらえるかの審査場となる訳です。日本はまだまだ甘いと思われても仕方ありません。実は私自身がドイツ留学時に、データがどうしても出ずに、ポスドク採用を3ヶ月ですが切られた経験をしています。なんとか自費でもちこたえ、その間に出たデータで教授が納得してくれて再雇用となりました。この間は本当に不眠症になるくらいのストレスを感じました。海外では実績が全てであり、それがポストと給料に反映されます。
 さて忘年会は多数参加いただき、楽しく過ごせました。教室の枠組みを越え、興味を同じくするものが飲食しながら親交を深めることは貴重です。第一解剖に移籍した仲谷和記先生にも参加いただきました。仲谷先生は第三内科の同門になりますが、免疫染色や電子顕微鏡で職人技をもっておられ、また、お力を借りたいと思います。新たに今年メンバーに加わった若手には是非とも来年は学会発表、論文発表などで世界に羽ばたいて欲しいと思います。若い力こと無限の可能性を秘めています。来年も頑張りましょう!



2012年12月21日金曜日

肝臓病教室

肝臓病教室、あっぱれ

先週の金曜日(12月14日)のことになりますが、肝臓病教室が行われました。肝臓病教室の開催日に大学にいる機会がなかなかなかったので、私としては久しぶりに聴衆として参加しました。やや遅れて会場に入ったのですが、まずは、患者さんやその関係者と思われる聴講に来られた人数が多いのに驚きました。今回のテーマは脂肪肝でしたが、生活習慣病として糖尿病、高脂血症、高血圧などと並んで注意喚起されている病気です。肝臓は症状が出ないだけに、病気が進行しないとわからない、まさに沈黙の臓器の代表格です。しかし、聴講された方が多いということは、肝機能異常をもたれていて、どう対処したらよいか悩んでおられる方が多いという現状を反映していると想像されます。教室は、医師による講義、栄養士さんからの栄養指導(どのような食事をとればよいか)、さらには理学療法士さんからの手軽にできるカロリー消費運動紹介、などで構成されていました。司会進行などを担当された10階東病棟や外来の看護師さんたちは何らかのワンポイントアクセサリーをつけて場を朗らかムードにされていました。また、ワイルドだぜ〜〜、のタレントのコスチュームの演者が現れ、さらには、なんでしょうか、何を意味するのかわからないかぶりものをしている役者まで登場して、まさに寸劇状態にまで至った教室にまで進化しているとは予想外でした(笑)。運動のコーナーでは私自身も動かせてもらいましたが、楽そうに見えて結構な体の動き。日頃の運動不足を実感しました。担当されたみなさん、ご苦労様でした!一人でも脂肪肝から脱却される方がおられることを期待して。



2012年12月17日月曜日

Challenge研究会

先週の木曜日(12月13日)のことになりますが、大阪肝臓病研究会にて埼玉医科大学総合医療センターの消化器・肝臓内科教授の名越澄子先生にお越しいただきご講演を頂戴しました。名越澄子先生は東京大学出身でかの第一内科にご入局になり、学位などを取得された後埼玉医科大学へ移られました。その後、本年度の4月から現職におつきになられています。名越先生の活躍の場は広く、消化器病学会や肝臓学会ばかりでなく、女性医師の会や日本学術会議、さらにはWHOのお仕事もされており、活動的です。しかしながら、全く飾り気がないというか、気さくな先生で私達にも気軽に声をおかけいただき、私自身は非常に懇意にしていただいています。実は名越先生とはもう25年近くのお付き合いでしょうか。。。肝類洞壁細胞研究会で私が若気の至りで血気盛んであった頃に、東京大学の第一内科藤原研二先生(残念ながら、先日お亡くなりになられました、ブログ参照)のグループの先生方とよく激論をさせていただいておりました。持田智先生もその頃のメンバーです。その他にも池田均先生もいらっしゃいます。名越先生もそのお一人でしたが、懇親会ではいつもお話しさせていただき、そのご縁で今も懇意にさせていただいています。このように学会や研究会を通じて、どなたかと知り合うことは自分の研究生活の貴重な財産になります。単に会に参加するのみではなくて人脈を広げるために有効利用することは様々な会の存在意義でもあります。名越先生とは研究会の後、私の行きつけのバーにお連れし(田守先生、榎本先生、坂口先生も参加)、私の物真似カラオケをご覧いただきました(笑)。名越先生ご自身も3局唄っていただきましたが、ひょとしたら名越先生の唱う姿を見たのは日本の肝臓学会のなかでもごく一部の人間ではないかと思われます。今後とも名越先生にはいろいろとお世話になることがあると思いますが、どうかよろしくお願いいたします。

2012年12月12日水曜日

Tsukamoto先生

12月10日(月曜日)に心斎橋のホテル日航大阪でChallenge研究会を行いました。この研究会はC型慢性肝疾患に対する大阪市大グループの治療成績をまとめ、問題点を議論したり、論文執筆へのステップとすることと、情報の共有を行う会です。もう9回目になりました。今回は総合医療センターの木岡清英先生に非B非C型肝癌の状況を、また、当科の田守昭博先生にC型慢性肝炎治療の現況について講演頂きました。その後、南カルフォルニア大学の実験病理学の教授でおられるHidekazu Tsukamoto先生に特別講演をいただきました。Hideさんとはもうかれこれ16年前からの知り合いになると思います。Hideさんはアメリカの厳しい競争を勝ち抜かれ、NIHのグラントを継続して獲得され、今ではNIH/NIAAAの設立によるアルコール性肝臓病・膵臓病のセンター長としてご活躍で、また、アジア太平洋地区のアルコール性疾患コントロールにも尽力されています。特別講演では、星細胞の起源や星細胞の活性化制御のメカニズム、さらには線維化からの発がんについて非常に密度の濃いお話をしていただきました。やはり、何故線維化肝を背景に発がんするのか、ここが興味をそそられる分野です。我々もサイトグロビンKOマウスのモデル系を用いてこの点を突っ込みたいと思っています。Discussionも進み、また、懇親会も楽しく過ごせました。実はその後、Hideさんとは夜中3時まで飲み明かすことになったのですが。。。アカデミックにもプライベートにも楽しい一夜でした。





2012年12月8日土曜日

東部肝臓学会

今日は肝臓学会東部会で東京の高輪プリンスに行ってました。我々は西部会会員なのですが、私の専門分野の「線維化」の特別シンポジウムがあったこととHide Tsukamoto先生が基調講演されることで参加してみようと思い、応募したところ採用してもらえました。3月末までポスドクを努めてくれた崔さんのデータがBBRCに掲載されましたが、その学会発表をしていなかったこともあり、また、研究発表を自分で行って初心に戻って楽しみたいという気分が今年はあります。シンポジウムは多方面から線維化に関して発表が行われ勉強になりました。特にHideさんの基調講演では、星細胞の起源やmyofibroblastとの異同に関して、私も知り合いである朝比奈さんのデータをもとに話されて興味深く拝聴しました。朝比奈さんが、イチローのように世界で活躍したいと希望してHideさんのラボに参加し、今では自分のラボを持つまでに成功したことは日本の若手のよいお手本です。やはり世界は広い。勿論、日本も広い。いろいろな場所で経験を積むことこそ、その人の幅を広げます。経験則といいますが、経験していないことはコメントもできないし想像もできない。一歩踏み出して違う世界を見、また一歩踏み出して、別の壁にぶち当たる。これを繰り返すことこそ成長であり、避けていては井の中の蛙です。若手にはやはり海外で経験を積み、グローバルスタンダードの知見をもとに行動することを切に希望します。また、そのサポートをすることが私の責務だと思っています。

2012年12月3日月曜日

久々の大学まる一日

今週は久々に学内におりデスクワーク、アポイント、学内、院内、医局内会議に費やしました。まるまる一週間大阪にいたのは久しぶりの気がします。こういう時こそ貯まっていた仕事をやり終える時です。依頼原稿、大学院生の学位論文、論文査読、、、査読も毎週はきつくて最近はセレクトさせてもらってしまっています。海外からの査読依頼が多くて全てはこなしきれません。来年ももう、APASL(シンガポール)、EASL (Amsetrdan)、AASLD (Washington DC)へは行くことにしていますし、9月に自分で国際学会するから多忙になりそうです。体力つけないとダメですねえ。走る、水泳、ゴルフ。継続は力なりで頑張ります。