2014年4月27日日曜日

消化器病学会ー東京

今週は水曜日から土曜日まで3泊4日で日本消化器病学会に参加してきました。今回が100回の記念大会であり、式典も含めて特別講演、海外sessionといつもの消化器病学会より1日長く盛りだくさんな学会でした。特に木曜日の午後の特別講演2演題は聞き応えがありました。一つは井村裕夫先生の「日本の臨床研究の問題点と将来の方向」であり、個別化医療や先制医療の必要性を説かれ、日本の臨床研究の遅れをどのように取り戻す必要があるか事例をあげて講演されました。また、中村祐輔先生は「国家戦略なき日本の医学•医療」というタイトルで、遺伝子研究で遅れをとる日本が政策としてその遅れを取り戻すべきであるのに「霞ヶ関の谷間」により上手く捗らないもどかしさを訴えられました。即ち、日本の研究や科学技術のレベルは世界有数なのにそれが上手く製薬に利用されておらず、その橋渡しをすべき霞ヶ関が有機的に機能していないことで日本は特に薬において輸入超過の大赤字になっていることを説かれました。アカデミアが中心になり企業とタッグを組まないと産業は急速に成長しない事を言及されたと思います。いずれの先生のご講演にはいたく感銘をうけました。心に刻んでおく必要が有ります。お二人とも今後の日本の医療は「メディカルケア」から「ヘルスケア」に移行すべきであることは一致しておりました。即ち、病気を直すという受け身的な医学から、病気になる前に手だてを施す能動的医療へと医学は進むべきであるということです。「体質」をゲノム情報から読み取り、病気になる前から治療を施す必要性は、まさにMedCity21の設立から唱っていた事で、大阪市大の取り組みはまさに的を得ている事になります。研究分野も発展させる必要があることを痛感しました。
 さて、今回は丸の内ホテルに泊まっており、毎日東京駅の前を歩いていましたので、その写真と、学会後皇居周辺を走りましたので、皇居の写真を掲載いたします。毎回思いますが、東京はきれいで洗練された街です。緑も多い。大阪の都市計画もこのようであってほしいものだと思います。