今週のBig Newsの一つは何と言っても理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが発表したSTAP細胞(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells)でしょう。小保方晴子博士は山中教授が開発したiPS細胞よりもより簡単な方法で、さらに効率よくマウス脾臓のリンパ球から万能細胞を作製しました。酸に浸すのみで細胞が若返る訳ですから、既成概念を覆す、素晴らしい研究であると考えられます。どのような臓器のどのような細胞でも生じる現象なのか、興味が尽きない話題です。何よりも、細胞が胎生時期の細胞にリプログラミングされることはそう稀な事ではなく、細胞の可逆性は予想以上に多いのかも知れないということを示されたことに興味がつきません。小保方晴子さんは、夜の1時まで研究し、なんども研究をやめようと思い、まあ、明日までは頑張ってみようと、の思いで5年間を過ごし、今回の大発見に繋がったとの事。あっぱれです。業績をだすことはそんなに簡単ではなく、表面にでていない裏事情、裏の苦労や挫折が相当あったと思います。それにもめげずに、自分のやりたい事を自分を信じて貫いた彼女は賞賛されるのが当然でしょう。最近は、ともすると、自分の都合で仕事を辞める人が多いです。また、自分の可能性を試してみようとする姿勢が足りない若手が多いように思います。上手く行った話の裏側も知るべきです。苦労無くして、成功はありません。ところで、小保方晴子さんのSTAP細胞ですが、実は私たちが見つけたタンパク質のもとの名前と同じなのでやや戸惑いがあります。現在Cytoglobinと呼ばれるほ乳類第4番目のグロビンは私たちが肝臓の星細胞から発見し、stellate cell-activation associated protein (STAP)としてNCBIに遺伝子登録しました。何かのご縁なのか、一度お会いして見たいと思っています。