2012年11月25日日曜日

藤原研司先生

今日は新横浜駅近くの横浜労災病院看護専門学校で行われた藤原研司先生の「お別れの会」に参列してきました。初冬の折でしたが青空が広がり、藤原先生のお人柄を偲ばせる晴れやかな一日でした。藤原先生は東京大学第一内科に入局後、肝臓病を主体として消化器病学の発展に貢献された偉大な学者でした。その活動は日本における脳死肝移植の適応をお決めになることにまで広げられ、日本の厚生労働行政に多大な貢献をされた先生でした。私は、肝細胞研究会や肝類洞壁細胞研究会を通じて藤原先生には20年以上に及びご指導をいただきました。また今も藤原先生の下で研鑽を積まれた先生方と親しくさせていただいています。いつもあの巨体で、強面でおられ、東京の下街風の口調で話しをされる(実は秋田県ご出身とのこと)ので、質問にお立ちになると若い頃は恐怖心を持ったものでした。最近はお会いするたびに「おい、頑張ってるか。お前みたいな元気のいい奴がいいんだよ。」と和やに話しかけていただいたことを鮮明に覚えています。日本の肝臓学を支える巨人が一人旅立たれたことを痛感しました。安らかにお休みください。

2012年11月18日日曜日

肝類洞壁細胞研究会2012








今日は肝類洞壁細胞研究会で宇部に来ています。この研究会は谷川久一先生が立ち上げられて以来26回目(26年間)を迎えました。本日も若い研究者が集まり非常に活発な第1日目が終了しました。この研究会の特徴は、基礎、臨床、内科、外科を問わずにこの分野に興味のある研究者が集まり屈託のない意見交換を行なうところです。数日前にAASLDに参加していましたが、日本人のoral presentationは限られたものになっていました。それくらい研究において米国を含めてアジア各国にも存在を脅かされています。本研究会のように、若手も積極的に参加して発言する会を通じて、日本の肝臓領域に関する基礎研究を再興させるべきだと痛感する機会でもありました。情報交換会も盛況で、会長の坂井田功教授に深謝いたします。

2012年11月16日金曜日

AASLD 2012





11月9日から13日にかけてAASLDに出席してきました。AASLDは昨年のサンフランシスコに引き続き2年連続で参加しました。途中何年か休んでおりましたが、その間にC型慢性肝炎に対する治療法も激変、研究内容もヒト遺伝子を解析するものが主体となり、現状の国際標準を把握するためには米国に行く必要性を感じます。事実、今回のAASLDでは内服薬のみのC型慢性肝炎治療薬でgenotype iですら90%以上の治癒率を示すものが出てきました。また、線維化や肝がんの分子生物学領域の研究の高さには刺激を受けました。雑誌Hepatologyがimpact factor 10を越している理由がわかります。実は私はBostonが初めてでしたので、会場近くの市内を歩いて廻りました。以外にBostonは小さな街で、至る所に入植者の英雄の墓地があり、freedom trailとしてボストンコモンから始まる観光地となっていることがわかりました。New Englandの歴史とその学問に触れることのできた貴重な数日間でした。